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10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

ウェルベック”服従”から読む『個人主義のその先』

本・漫画

フランスの詩人であり小説家、ミシェル・ウェルベックをはじめて読んだのは、日本では2007年に刊行された『ある島の可能性』であった。

 

ある島の可能性

ある島の可能性

  • 作者: ミシェルウエルベック,クサナギシンペイ,Michel Houellebecq,中村佳子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/02/28
  • メディア: 単行本
  • 購入: 8人 クリック: 136回
  • この商品を含むブログ (55件) を見る
 

 

ノイズ・ミュージシャンであり、小説家・画家でもある中原昌也が推薦していたことで知った作家だった。中原氏自体が相当くせ者の表現者なので、このウェルベックも推してはかるべし、とは思っていたのだが、その圧倒的な知識とイマジネイション、そして突き抜けたニヒリズム的思考に完全に魅了されて、日本で発売される彼の著作はほぼ全て読むに至っている。

 


西島秀俊×中原昌也(Hair Stylistics)

(↑今をときめく人気俳優・西島秀俊が中原昌也のノイズについて語ってる映像。この人、根はかなりアンダーグラウンド寄りなんだよね。ウェルベックも知ってるかも)

 

『ある島の可能性』は、現代を生きる辛口コメディアン・ダニエルとその数世紀先の未来のクローン人間の人生が交互に語られる。

 

ダニエルはコメディアンとして成功はするものの、妻との別れ、そして魅力ある年下の彼女に最終的に振られ手痛い失恋をすることになる。性に翻弄され自らの身体の衰えを感じ、なにより出口なしの孤独感に打ちひしがれるダニエルは、とある新興宗教団体に接近する。そこでは”ネオ・ヒューマン”と呼ばれるクローン人間の研究が行われていて、彼はその研究に己の体を差し出すことになる。

 

そして2000年(!)の時を経て世界は崩壊し、他者との接触が一切必要ではない、光合成で生きることのできるネオ・ヒューマンがまるで解脱したような孤立した生活を過ごしている。ダニエルのクローンである、ダニエル24はダニエルが残した自叙伝を読むことが日課となっている。愛も憎しみももちろん性も存在しない漂白した世界に生きるダニエル24は、人間的苦悩の塊であるダニエルの吐露にしだいに影響を受け、ある重大な決心をする…

 

 

10代の頃「人が人を愛する、または家族を、神を、国家を愛する…そのことにより生れる”執着”、それがひいては全ての諍い事の原因ではないか?」などと考えたことがある。愛するという感情があるからこそ、人はその対象を守り敵から退け、あるいは束縛・強制するべく限りない争いを起こすのだ、愛さえなければ人は幸せになれる!ラブ・ウィル・ティア・アス・アパート・アゲイン…とまぁ恋愛経験なしの中坊丸出しの発想なのだが、この”ある島の…”に限らずウェルベックの諸作は、こうした発想と地続きなんじゃ?と読むたびに思う。孤独をこじらせた故の、疎外され愛に見捨てられた現代ヨーロッパのインテリ中年。

 


Joy Division - Love will tear us apart - Official Video with Ian Curtis.

 

さて本国フランスでは2015年に刊行され、その発売日にあのシャブリー・エブド襲撃事件があったことでセンセーションな話題を呼んだ小説「服従」を遅ればせながら読んだ。

 

 

服従

服従

 

 

 

なにせ内容が”2022年、フランスにムスリム政権が誕生する”と言う物騒きわまりないもの、であったため、そのタイムリーさ(”大統領選の最中に銃撃戦が起こる”なんて描写すらある)には身ぶるいがおきるほどだった。

 

フランスの小説家・ユイスマンスの研究者で、大学講師であるフランソワ。順風満帆にキャリアを築き、新入学生と束の間の情事を楽しむ彼だったが、ムスリム政権誕生後、イスラム教徒以外の者は教壇に立てなくなったため大学を追われることに。ユイスマンスゆかりの土地を巡ったり、すでに改教を済ませた者たちとの邂逅を経て、イスラム教に入信し、再び大学へ戻る決心をするのであった…

 

ウェルベックの小説を読む楽しみの一つに、折々のテーマに即した記述に知的好奇心がかき立てられる、というのがあって、今回は、もしかしたら将来的にイスラム政権が誕生するかもしれないフランス及びヨーロッパの政治状況や、19世紀デカダン文化を代表する作家、ユイスマンスのことに多くのページがさかれている。

 

 

さかしま (河出文庫)

さかしま (河出文庫)

 

 

 

とはいえ読破してみると、やはりウェルベックらしい思想が全開であった。無教養である私がざっくり解釈すれば

「人間的苦悩から解放されるためには、思い切って巨大な何か(この場合はイスラム教)に”服従”しちまえばいいじゃん!」と。

 

それはある意味身もふたもない結論なのだが、個人主義が浸透し飽和点を迎えたヨーロッパに蔓延する一種の倦怠感、個々がバラバラになった故の寄る辺なさと孤独感を解決する劇薬は実は、時代錯誤とも思える家長制度・男性上位、そして神への絶対的な信仰を主とするイスラムの教えにあるのでは?という、極端ではあるがどこか説得力もあるウェルベックの皮肉交じりの問題定義、なのであった。

 

さらには、一夫多妻制が承認されている(地位と経済的余裕のある者に限られるんだろうが)イスラム社会。フランソワの上司である大学長が元々の妻の他に15.6歳の女性を娶っている描写を、そこそこの健康さとそこそこの社会的地位を持つ中年男性なら羨まずにはおれないだろう…おっと女性諸氏から非難轟々かも、ですな(苦笑)

 

物語は大学は追放されたものの、アラブ諸国からの潤沢な援助により生活に不自由しない年金を受け取ることになったフランソワが、結局わざわざ再び大学に戻るためイスラムへの改教を受け入れるところで終わる。決定的な思想の転換にも関わらず案外淡々としているフランソワの態度が、どこかそうした状況を待ちわびていたかのようで逆に印象に残った。

 

…しかしそういや、ここ日本でも個人の自由よりもなにか”大きい物語?存在?”への回帰的な動きが、社会の空気の中に見受けられることも増えてきて、読んでいて決して他人事ではないな、と感じたのだ(この時代に教育勅語がどうたら、なんて笑うに笑えないじゃないか)。

 

”絶対的な服従により、人間的な苦悩から解放されより幸福になれる”…行き詰まった現代に生きる者の心の奥底に潜む密かな願望を白日の下にさらすウェルベックはやはり本質的に”危険”な作家だな、と改めて思ったのだった。

 

 

映画『沈黙~サイレンス~』をやっと観れた!

海外映画・ドラマ

今から10年ほど前、遠藤周作の『沈黙』を読もうとしたことがあった。その頃アメリカの映画監督、マーティン・スコセッシが映画化を目指しているというニュースを知ったのがそもそものきっかけだった。

 

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

 

 

 

彼の代表作である『タクシードライバー』に衝撃を受けた高校の頃から、ずっとファンだった私としては、元々映画監督になるまでは牧師を志していた、というキリスト教のバックボーンが色濃い彼が日本人作家の原作で日本を舞台にした切支丹弾圧のお話を真っ向から撮る、ということに興奮を覚えていた。

 

 

タクシードライバー コレクターズ・エディション [SPE BEST] [DVD]

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そんなことからまずは原作読まなきゃ、と本を手に取ってはみたのだが…実を言うと途中で読むのを止めてしまい今に至っている。

 

その理由は後から述べるとして、実に構想から28年の月日を費やしとうとう完成したスコセッシ版『沈黙』をつい昨日観てきた。

 

 


『沈黙‐サイレンス‐』日本オリジナル予告

 

 

製作までにひじょうに長い年月がかかったことを、さかんに宣伝文句として使われてる印象なのだが、ことこの映画に関してそれが誇張ではないことは、この10年近く断片的に伝えられた数々の報道から間違いない事実だと思う。

 

そもそもほぼ日本人キャストで、宗教をテーマにした歴史劇をハリウッドで製作すること自体容易ではないはずだし、実際なかなか製作が進まないことに関してスコセッシは製作会社から訴えられてたり、またようやく撮影がはじまってもスタッフが事故で死亡したり、なんていう最悪の事態も起こっている。そうした情報を知った上で鑑賞したので、今はほんとにスコセッシ、この映画を撮り上げてくれてありがとう!と言いたいくらい、ほんとにそれくらい見応えのある作品に仕上がっていたのが嬉しかった。

 

matome.naver.jp

 

 

禁教令が敷かれ、し烈な宗教弾圧が行われていた江戸時代の長崎に上陸した二人のポルトガル宣教師が経験する悲劇。人間にとって信仰とは何か?を観る者に問う内容は、とかく宗教意識が希薄な現代の日本人にとっては一番苦手なテーマなのかもしれない。

 

かくいう私自身、かつて原作にチャレンジしたものの挫折したのは、自分の生死を賭けてまで信仰に殉じる彼らの姿にやはり心からのシンパシーを感じなかったからだ。

 

「踏み絵くらいとりあえず踏んどきゃいいんじゃない?」

 「キリストじゃなくても御釈迦様でもいいんじゃない?同じ神様なんだろうし…」

 

しかしこの歳になって思う。産まれたときからずっと栄養失調状態、貧弱な土地で過酷な年貢の取り立てに苦しみ、自由も明るい未来の展望も200%ありえないあの時代の貧しい人たちにとって、現世で徳を積めば天国に行けると説く、海の向こうの遠い国からきたキリストの福音がどれだけ救いになっただろうか、と。自分を現世の地獄から救ってくれる神様を踏みつけにしなければならない痛みはいかほどばかりであったか、と。それを少しは自分なりに想像できるくらいは大人になったよ。だってまぁサラリーマン稼業も片足は牢獄に突っ込んでるようなもんだからね(苦笑)…

 

ただこの映画で興味深かったのは、そんな底辺で生きる切支丹たちの心情に寄り添いつつも、幕府側がなぜここまで過酷な弾圧を行うかもひじょうに理性的に語らせているとこだった。イッセー尾形扮する妙に愛嬌のある井上筑後守や浅野忠信扮する通辞が、アンドリュー・ガーフィールド扮する宣教師・ロドリゴに”(君たちの宗教は)この国の現在の秩序を保つためには不適当だ。だから君が心の中で何を信じようが勝手だが、この国で広めるのはやめてくれ”とときになだめすかし、ときに恫喝するシーンを見ると、確かに封建社会を維持するためにキリストを唯一神とする考え方は危険ですらあったろう、彼らの言い分も一理ある…と思わんでもない。

 

…とはいえそれは権力側の発想。地べたをはいつくばりその日その日を必死に生きている人々のゼウス、キリストに対する怖ろしいほどのひたむきさと執着心には心打たれるものがあった。そしてそんな姿を文字通り”魂を削るような”演技で魅せてくれていた塚本晋也笈田ヨシ等の日本人キャストには圧倒された。

 

特に現代日本を代表する先鋭的な映画監督でもある塚本晋也の、予告編でも強烈な印象を残す水責めシーンは映画館の大画面で観ると、もう息が詰まるほどの迫力!

 

そしてこの物語のキーマンの一人、自分の家族やロドリゴまでも密告してしまい、そのたびに自責の念にかられロドリゴに罪を告白しにくる、というなんともやっかいで複雑な男・キチジローを演じた窪塚洋介の演技は間違いなく一見の価値があると思う。彼の会見での堂々とした発言からももう日本という狭い器に収まってる人じゃないな、と。これからどしどし世界の映画界で活躍してほしい。

 


窪塚洋介、スコセッシ監督に「驚がく、偉大」 ハリウッドへのアピール見抜かれた? 映画「沈黙-サイレンス-」初日舞台あいさつ1

 

 

作品の特色上なのか、いつものスコセッシ映画のような映像ギミックはかなり抑えられていたし、環境音のみで音楽という音楽すらほぼなかったのだが、要所要所で古い日本映画へのオマージュが感じられたのが面白かった。例えば霧の中の海を船で渡るシーンはまさに溝口健二『雨月物語』であったし、鬱蒼とした草むらで村人が語るシーンなんかは、新藤兼人『鬼婆』と思いだした。無類の映画マニア・スコセッシの面目躍如といったところか。

 

 

 

 

鬼婆 [DVD]

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…さて映画を観終わった後、しばし放心状態でジョン・レノンが語った

 

『宗教は人間の苦悩を計る概念だ』

 

という言葉を思い出していた。そしてその言葉を少しは理解できたような気がした。現世で苦しみながら救いを求めて生きる人たちと、目の前で苦しむ彼らに心の平穏を与えたいと願う人たち。共に命がけの純粋で壮絶な想いが産んだ悲劇がただひたすら哀しく美しく、2時間40分という上映時間があっという間であったよ。心から言わせていただきます、必見!

 

 

10nen-ishiue.hatenablog.com

 

 

『逃げるは恥だが役に立つ』は高齢童貞の自己嫌悪感を克服するドラマ…なのか!?

テレビ・国内ドラマ

今クールのテレビドラマ界で話題になってる、といえば『逃げるは恥だが役に立つ』。

 

www.tbs.co.jp

 

実はこのドラマの脚本家である野木亜紀子が今年手がけていたドラマ”重版出来!”にえらく感銘を受けてたので当初から楽しみにしていたのだったが、正直ここまで人気が出るとは思いもよらなかった。

 

 

重版出来!  DVD-BOX

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さて星野源演じる主人公の津崎平匡は、35歳にもなって恋愛経験がない『プロの独身』という設定である。

 

プロ独身…すなわちそれは”プロの童貞”でもある(まさか風俗経験あり、つうわけじゃないだろうな!?)。

 

高齢童貞、といえばこのブログにて30歳まで童貞だったことを告白した、私10イシウエであるからして、かつて”プロ童貞”だった者として一言二言物申したい気持ちになったので久々にブログを更新してみたのである。

 

10nen-ishiue.hatenablog.com

 

 

いとも賢明なる童貞 ポーランドの宮廷における聖母マリアの礼拝音楽集

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  • アーティスト: ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンス,マンフレッド・コルデス,マルチン・ミエルチェフスキ
  • 出版社/メーカー: cpo
  • 発売日: 2014/12/24
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先日放送された第7話では、とうとうガッキーこと新垣結衣が頭を肩に預け『(平匡とだったら)最後までいってもいいですよ…』なんて言わせておきながら、それを全力で拒むという全人類男子にあるまじき行為を行った津崎君。”それでこそプロ童貞!”…なんて褒めてる場合ではないのだが(笑)。ここまで頑なに恋人同士の関係を拒むのは、生真面目とか倫理観が強い、というより性に対する恐怖心&嫌悪感に凝り固まっているように見える。

 

ちなみに私自身のことを思い出してみると、20代の後半までちゃんとしたマスターベーションをしなかったのだった。今から思うとそうした行為にどこか後ろめたい嫌悪感を感じていたんだと思う、無意識的に。

 

マスタベーションの歴史

マスタベーションの歴史

 

 

はじめてマスターベーションをしたときは、布団にうつ伏せになり股間を押し付けながら手を使わず行ってた(いわゆる”床オナニー”)。それから手でしごいて…つうやり方に行きつくのは結構先の話で、なんで頑なにそうした基本的なやり方をしなかったのか、今から考えると不思議でしょうがない。

 

lite-ra.com

 

性嫌悪に陥る心のメカニズムは人それぞれあるんだろうけど、一つには”自己嫌悪感が強い”こともあるのではなかろうか。自分が嫌いだ、そんな自分が薄汚れた性に溺れてしまったらいっそう人間としてとりとめもなくみっともない、情けない存在になってしまう…根が真面目な人ほどそうゆうドツボにハマりそうな気がする。

 

 

あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。 他人に支配されず、自由に生きる技術

あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。 他人に支配されず、自由に生きる技術

 

 

 

極度の自己嫌悪感から自分を許せないまま生きてきた津崎君の前に現れたみくりちゃんは、はじめて自分の存在をまるごと受け入れてくれる存在なのだ。しかし人間はそれまでの生き方・状況を(それが良い方向であろうとも)変化させることに本能的な恐怖を感じる生き物。今後”逃げ恥”は津崎君が自身の恐怖心と闘い、どうそれを克服するかというストーリー展開になるのではないか?と密かに楽しみにしている。それは単なるラブコメディーを越える、現代人に共通する普遍的な問題提議でもあると思うのだが。

 

 

 

日本の”コクのある顔した男ども”はフリースタイル・ダンジョンに集まる

独り言

先日たまたまネットで見かけた記事が興味深かったのですよ。

 

indietokyo.com

 

 

現在好調といわれるイギリス映画界なのだが、世界的にヒットした作品を見ると”英国王のスピーチ””マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙”など上流階級を描いたものだったり、また活躍中のイギリス出身の人気俳優であるベネディクト・カンバーバッチエディ・レッドメイン自身が名門私立学校出身のエリート、だとのこと。

 

 

 

イギリスには巨匠ケン・ローチなどの監督を筆頭に、労働者階級の人たちの生活をつぶさにとらえる映画が作られ続けている伝統があるのだが、俳優養成学校は高額な授業料がかかることもあり、今やその手の作品にハマる、いわば生粋の”労働者階級出身”の俳優が少なくなってきている、のだとか。

 

 

映画でわかるイギリス文化入門

映画でわかるイギリス文化入門

 

 

 

もちろんベネディクト・カンバーバッチは素晴らしい俳優さんではあるんだけど、お顔立ちが綺麗すぎて、日頃パブで飲んだくれてる失業者のオヤジ役なんて到底似合いそうにないな、確かに。

 

またイギリス発のそうした下層の人たちを描いた映画自体、最近あんまりヒットした記憶もない。それこそ近々続編が公開される予定の”トレイン・スポッティング”ぐらいじゃなかろうか。

(とはいえ去年日本でも公開された、田舎の炭鉱町のストライキに都会のゲイたちが協力する”パレードへようこそ”はほんとに素晴らしかったし、もっとヒットしてもよかったと思うぞ)

 

 

パレードへようこそ [DVD]

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さてお話はここ日本でも同様で、近年の人気俳優の顔立ちを見てみると、雑種というか野良犬というか、まぁそうとしか表現できないような、なんともしれん『コクのある』雰囲気を醸し出してる人、というとなかなか思いつかない。例えば実は大企業である双日会長のご子息で若手随一の演技派、加瀬亮などは確かにそうしたバックボーンが窺える育ちのよさげなお顔立ちである。

 

 

Bellevue Ryo Kase―加瀬亮-写真+言葉+全作品

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いたいた! 中堅俳優の中では新井浩文はなかなか”コクのある”顔をしてるよね。そうだな、作業着が似合いそうな。

 

 

赤い季節(初回生産限定盤)(DVD+CD)

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しかしまぁコンプライアンスがどうのこうの、と叫ばれる時代の流れ的にそうした草食系男子的な顔立ちの俳優さんに人気が集まるのももっともなこと、かもしれない。ただ例えば”仁義なき戦い”に出演していた俳優たちが醸し出していたやさぐれ感や、幼い頃から恵まれない環境下で抑圧されていた鬱屈感をフェイクじゃなく全身で・気配で表現できる俳優が今どれくらいいるのだろう?と思うと少し寂しい気持ちにもなるのだ。

 

 

『仁義なき戦い』をつくった男たち―深作欣二と笠原和夫

『仁義なき戦い』をつくった男たち―深作欣二と笠原和夫

 

 

 

そういや、時にお笑いやミュージシャン系の人が映画やドラマに駆り出される背景には、順風満帆で育ちがよかった人には表現できないある種のニオイ・異物感を求められているのだろう。確かに今や引っ張りだこのピエール瀧の顔立ちは大卒インテリには決して醸し出せないのではなかろうか。

 

 

ピエール瀧の23区23時

ピエール瀧の23区23時

 

 

 

…さて長い前置きになったが、そんな現代日本において絶滅危惧種ともいえそうな”雑種どもがもがいてる様”をまざまざと見せつけてくる映像コンテンツがフリースタイル・ダンジョンであることに異論の余地はないのではないだろうか!!と声を大にして言いたい。

 

matome.naver.jp

 

 

二人以上のラッパーが即興でラップを交互に返しながら、その瞬発力やパフォーマンス性、そして語彙の表現力などを競い合うという、アンダーグラウンドなヒップホップのライブシーンでは長らく行われていたイベントを、地上波向けにリアレンジした形で放送する、という番組。

 

個性豊かで実力派なラッパーたちを”モンスター”と称し、チャレンジャーが彼ら一人一人を倒しながら勝ち進んでいく、なんてまるでブルース・リーの”死亡遊戯”のよう。そんな一般視聴者が入り込みやすいポップなアレンジを施した番組スタッフも相当切れ者だと思うが、それに加え日本のフリースタイルの先駆者であるMC漢を担ぎ出していたり、またジャッジマンに日本にヒップホップを輸入した張本人ともいえる”いとうせいこう”をちゃんと配していたり、またスチャダラパー一派のような所謂”オモロラップ”と強面のハードコアな連中とのいわば橋渡し的な存在であるサイプレス上野を登場させたり、とその手の音楽に一家言あるファンでも納得の幅広く隙のない配役もこの番組の成功の一因だと思う。

 

 

ヒップホップ・ドリーム

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ザ、ベストテン 10th Anniversary Best(白)(初回限定盤)(DVD付)

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んで、そうした中とりもなおさずなんといっても魅力なのは、一発ヒップホップドリームを掴むべく登場する、数々のラッパーたちの剥き出しで不敵な顔立ちなのだ。若きモンスターの一人、 T-pablowなんて甘さと危険な感じが相まったほんといい面構えしてるよな、と毎回惚れ惚れするし。

 

 

やはりこうしたバックボーンの連中に心惹かれる部分が大いにあるのは、私が新聞販売屋を営んでいた飲んだくれの親父の息子で高卒だからなのかもしれない。自分がとうに失いかけそうになっている、思い通りにならない社会に対するハングリー精神、百姓一揆的パフォーマンスをステージ上で爆発させている彼らをスマホ越しに観ることに、なにか希望のようなものを見いだしてるのかもしれない…などと思いつつ毎週放送日を楽しみにしているアラウンド40のオッサンの独り言でした、じゃんじゃん!

 

 

 

とにかく可愛い女子ヴォーカリストがいるエレクトロポップ・アーティストを集めてみたよ~邦楽編~

邦楽 推薦盤

今回は 以前まとめてみた、エレクトロ・テクノポップアーティストの邦楽編、です。

 

10nen-ishiue.hatenablog.com

 

 甘くて、丸くて、ふわふわしたシンセ音と女の子ヴォーカルの取り合わせはやっぱ最強ですよ、旦那!というわけで多数の名門電子楽器メーカーがひしめくこの日本は、もちろんそうしたミュージシャンの宝庫。新旧とりまぜて、思いつくままにピックアップしてみました。

(ちなみに私、アニメやアイドル関連には疎いんで、そっち系統のアーティストは省いたラインナップになっております。あと基本的に自ら、またはメンバーが楽曲製作(及び演奏・録音まで)をこなしている人たちに限りました。あしからず)

 

 

〇capsule(カプセル)

 


CAPSULE - "WAVE RUNNER -DELUXE EDITION-" Trailer

 

PLAYER(初回限定生産盤)(DVD付)

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当代きっての売れっ子プロデューサー・中田ヤスタカがPerfume以前から手がけている、といえばこのユニット。Perfumeで幾分制約されている、であろう彼のクリエイティビティーがより自由に発揮されてる。美人、というより個性的・小動物系なヴォーカル・こしじまとしこのお顔ってどこかしらあのきゃりーぱみゅぱみゅに似てる、と思うのだがあの手の感じがお好きなんでしょうか?中田ヤスタカ。

 

 

 

〇AZUMA HITOMI(アズマ ヒトミ)

 


AZUMA HITOMI 「プリズム」MUSIC VIDEO

 

CHIIRALITY

CHIIRALITY

 

 

宅録を志す者のバイブル、雑誌・サウンド&レコーディングでの連載も行っている才女。ひじょうに端正、というか正統派なキラキラ・シンセサウンドが心地いい。体全身を使い一人で行うライブパフォーマンスは現代の大道芸的でもあり、そういやいそうでいなかったタイプ。

 

 

〇Miki Furukawa(フルカワ ミキ)

 


フルカワミキ (Miki Furukawa) 「Dreamer」

 

Very

Very

 

 

スーパーカーのメンバー、という肩書ももう随分昔になりました。シュガーコーティングされたようなキュートな声と儚げなルックス、そしてドリーミーな打ち込みサウンドはまさに王道。彼女がヴォーカルを務めるバンド・LAMAもいい感じ。

 


Lama Spell Live

 

Spell(初回生産限定盤)(DVD付)

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〇嶺川貴子(ミネカワ タカコ)

 


Takako Minekawa 嶺川貴子 @ Fez, NYC 1998

 


Dustin Wong & Takako Minekawa live at MOCAD

 

 ↓結婚前の彼女と

Roomic Cube~a tiny room exhibition

Roomic Cube~a tiny room exhibition

 

 ↓最近の彼女のアルバム

Savage Imagination (ボーナストラック2曲収録 / 本人達による全曲解説、歌詞付き)

Savage Imagination (ボーナストラック2曲収録 / 本人達による全曲解説、歌詞付き)

 

 

90年代、音楽界を席巻した渋谷系ムーブメントにおける宅録女子のシンボル的存在、といえばこの方でしょう。現在METAFIVEのメンバーとしても活躍してる小山田圭吾の元・嫁さん、でもあります(離婚報道を聞いたときはびっくりしたもんです)。長らく楽曲発表から離れていた彼女だが、ここ最近ではダスティン・ウォング、という素晴らしいギタリストとの共作で、実験的ではあるけど彼女らしい可愛らしさも兼ね備えたサウンドを追求されてます。

 

 

〇TORIENA(トリエナ)

 


Toriena - Chip Brain Girl (Full Album) Chiptune

 


Toriena - Square Sounds Tokyo 2015

 

www.toriena.net

 

 

 ゲームボーイを使い制作される、8ビットサウンド”チップチューン”界の若きプリンセス。ライブのときのはっちゃけぶりも実に可愛い。調べたらまだ事務所には所属されていないご様子。本格的なブレイクはまだこれから、か?

 

 

〇Satellite Young(サテライトヤング)

 


Satellite Young - Don't Graduate Senpai / 卒業しないで、先輩 (Senpai Club - Episode 3 ED, full version)

 

フェイクメモリー

フェイクメモリー

 

 

80年代テクノポップ、というよりあの頃のアニメの主題歌やアイドルソングの雰囲気をそのままトレースしたかのようなシンセサウンド。ここまで作り込めばギャグを通り越してもう天晴れ!としか言えない(笑)。個人的にはひょっとしたら今後水曜日のカンパネラのようなブレイクをかますかも!?などと密かに期待してる。

 

 

〇ZOMBIE-CHANG(ゾンビチャング)

 


ZOMBIE-CHANG "SUMMER TIME"

 

ZOMBIE-CHANGE

ZOMBIE-CHANGE

 

 

 ニューウェーブでサイケでチープなシンセサウンドを総称して欧米では”シンセウェーブ”というそうで、このMeirin Yungのソロ・ユニット”ゾンビチャング”はその流れに呼応してる数少ない日本の女性アーティスト。どこか投げやりで脱力な感じも今っぽくてGOO。

 

 

 

 〇禁断の多数決

 


禁断の多数決 - ビューティフル・ドリーマー

 

 

はじめにアイがあった

はじめにアイがあった

 

 

いい!すごくいい!終始気だるげなヴォーカルとシンプルにまとめられた涼しげなバックトラックがセンスの良さを感じさせますね。

 

 

〇マイカ・ルブテ(MAIKA LOUBTÉ)

 


Maika Loubté - You and I / TOKYO ACOUSTIC SESSION

 

 

100

100

 

 

 シンセやドラムマシンがひしめく薄暗い部屋でハーフの可愛い女の子が弾き語ってる映像、雰囲気があっていいね(ノートPCを使ってないとこにこだわりを感じる!)。日仏ハーフのSSW、今年の夏に新譜を出してます。AZUMA HITOMIと一緒のユニットにも参加したりしてる。ますます飛躍してほしい個性派!

 

 

 

〇町あかり

 


もぐらたたきのような人PV 町あかり (Mogura Tataki No You Na Hito - Machi Akari Official Music Video)

 

あかりの恩返し

あかりの恩返し

 

 

 チープ極まりないトラックの上に乗っかる、これまたなんとも懐かしさと奇妙な手癖を感じるメロディー。最近ではあの電気グルーブの前座も勤めてしまったのだからもうスターの仲間入りは果たしたといっても過言ではない!?このままですくすく育ってほしい。

 

 

〇浜崎容子

 


浜崎容子 - 雨音はショパンの調べ Yoko Hamasaki - I Like Chopin

 

Blue Forest

Blue Forest

 

 

独特な世界観を持つ活動で知られるバンド・アーバンギャルドのヴォーカルで活躍する彼女が今年ソロとしてアルバムを発表。彼女自身がアレンジ・プログラミングをしているそうなのでこれはもう立派な宅録女子。狂気すら感じるアーヴァンギャルドとは一線を画した、アダルトで落ち着いた作風。

 

 

 〇AYUSE KOZUE(アユセ コズエ)

 


Do It Yourself (AYUSE KOZUE creating sound with KORG )

 

boyfriend

boyfriend

 

 

 2006年、テイトウワ・プロデュースで華々しくデビューしたAYUSE KOZUE。その当時は自分で作詞作曲そして宅録までこなす、所謂サブカル好き人種にアピールした売り出し方だったように思うが、どうやらヒットには恵まれず…もちろん現在も活躍してるようですが、音楽性は随分方向転換したようで。可愛いし唄上手いのになぁ。

 

 

〇大正九年

 


大正九年 - 祝祭日 -

 

KYU-BOX.

KYU-BOX.

 

 

個人的には復活を切に希望している渡辺一重(ワタナベ ヒトエ)のソロ・ユニット。なんでも体調を悪くして活動休止中、とのこと。怒濤の制作ペースに無理がたたったのかな?かわいらしさの中の毒々しさが癖になる。

 

 

〇きどりっこ

 

 


きどりっこ - セレレガンスな和尚

 

 

現在はゲーム音楽、また”みんなのうた”で話題になった”おしりかじり虫”やアニメ”キルミーベイベー”エンディング曲の制作で知る人ぞ知る存在の松前公高が80年代に組んでいたユニット。この曲は私が中学生の頃、イギリスの著名ラジオDJ、ジョン・ピールが日本のインディーズバンドのみをチョイスした特別番組をたまたま聴いたとき紹介されていたのでした。可愛いとシュールを混ぜ合わせた不思議な個性ですな。

 

 

 


キルミーベイべーED

 

 

TVアニメ「キルミーベイベー」劇中音楽集 Music From

TVアニメ「キルミーベイベー」劇中音楽集 Music From "Kill Me Baby"

 

 

 

 〇Miharu Koshi(コシ ミハル)

 


越美晴 - パラレリズム~Decadance120

 

パラレリズム

パラレリズム

 

 

最後は現在齢56歳の大御所アーティストを。元々はポプコン出身でその後80年代は細野晴臣プロデュースの元、テクノポップに大きく傾倒した楽曲を制作していましたね(時代を感じさせる太眉!)。今改めて聴くとそのクオリティーの高さに驚かされる。再評価を切に求む!

 

 

…とここまで書いてきて思ったけど、大ブレイクを果たしたイギリスのチャーチズのようなライブ映えする、バンド編成のシンセ・エレクトロアーティストが日本には今、いないんじゃないの!?(私が知らないだけかもしれないが)。もし、業界で一発当てたい人なら、この路線を狙ってみるのもありなんではないでしょうかっ!以上!

 

 

イギリス在住の保育士兼パンクなライター、ブレイデイみかこの新書~” THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本”~

本・漫画

イギリスの映画監督、マイケル・ウィンターボトムの作品に”ひかりのまち”という映画がある。この映画ではかの国の典型的なワーキングクラスの人たちが数多く登場するのだが、ある何気ないシーンがとても気になった。

 

ひかりのまち [DVD]

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それは、とあるカフェでウェイトレスをやってる女性が、仕事中にかかってきた携帯電話を取り、そのまま外に出て話し込む、というシーン。それ観たとき真っ先に思ったのは

 

「これ、同じこと日本でやったら、オーナーか先輩かに絶対『仕事中に電話するな!』って怒鳴られるよな…」

 

たぶん私自身、職場の同僚かはたまた後輩が同じことやったら怒るもん。ふざけるな!って。でもイギリスではこうした光景は特別おかしなことではないのだろう。なんでもスーパーのレジで店員同士が話し込んで、レジ打ちが滞って行列ができる、なんてざらにあるって在英の知人に聞いたことあるし。そうそうある商品のクレームを言うために企業に電話したら「その件は私の責任ではないので知りません」ってオペレーターに突っぱねられた、なんて話も聞いたことあるわ。それが事実ならイギリスって、従業員だから・雇われているから我慢しなければならないことのハードルが日本に比べてかなり低くて緩いんだろうなぁ…そもそも“労働”に対する考え方が根本的に日本人とは違うのかも。ある意味羨ましいけど大変かもしれん、ムムム…と思うのだ。

 

さて、のっけからイギリスの悪口みたいになってしまったが(苦笑)、これから先はこのたび発刊されるイギリス在住の保育士兼コラムニスト?であるブレイディみかこ著の本” THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本”の書評を進めることにする。

 

THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本

THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本

 

 

ざっくり説明するとこの本は、在英20年以上のみかこさんが久しぶりに日本に帰り、この国の市民・左翼運動、また子育てや貧困を取り巻く状況についてリポートしている。

 

私はたまたま以前、このみかこさんの前書”ザ・レフト”にひじょうに感銘を受けて、それからほぼほぼファン状態で彼女のコラムをあれこれ読ませてもらっていた。特にここ最近のイギリスの政治情勢、スコットランド独立やイギリスのEU脱退の際はイギリスの”地べた”から発せされる彼女の示唆に富む文章がなによりためになったし、日本ではうかがい知れぬ英国の状況をより深く理解することができた。そんな訳で、そんな彼女が今の日本をどのように感じるのか、とても興味があったのだ。

 

ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)

ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)

 

 

10nen-ishiue.hatenablog.com

 

…さて、またまた話は脱線するが、私にとって物事の判断基準で『パンク(PUNK)であるか否か』はとても重要だ。パンクとは70年代後半に起こったロックのムーブメントで、それまでロック界の主流だったハード・ブルースロック、また難解で長大・テクニック指向なプログレッシブロックに対抗するような、シンプルなコード、お世辞にも上手いとはいえない荒々しい演奏スタイルで、そこから派生してあらゆるジャンルのカルチャーで既成概念だったり伝統・因習だったりを打ち壊す過激な表現形態として大きな影響を与えた。元々はニューヨークでバンド・ラモーンズなどが出てきたときに生まれた音楽ムーブメントだが、そのスタイルは海を渡り未だ“階級”という壁が大きく横たわるイギリスにおいては、社会を揺るがすほどにまでの大きな文化革命になったのだった。

 

私にとって「この人はパンクか否か!?」というのは、要するに支配階級ではないこと、そして“地べた”に暮らしつつも決してそこに安住しない・変革を求めるエネルギーを持っている人、ということだ。みかこさんの文章を読んでいると、イギリスの被支配階級の人たちの逞しさというか、自らの尊厳を守るための不屈の精神にある種の尊敬の念すら感じる。

 

冒頭で書いたイギリスの日常風景(?)は、イギリス人が心の奥に隠し持っている「雇われの身であろうと、奴隷のように自由を奪われるのはごめんだ」というパンキッシュな気持ちの表れかもしれない。

 

だが、日本と違っていたのは、この人たちは「自分にお金がない」と高らかに言うことができ、貧乏人はここに確かに存在するんだとやかましいぐらい主張して、それがあまりに堂々としているものだから「ワーキングクラス・ヒーロー」などと呼ばれてクールな存在とさえ見なされていた。彼らは、貧乏なのはじぶんのせいだと自らを責めるのではなく、「貴様らがしっかりやってくれないと末端は苦しいだろう」と政府に拳を上げ、相手が無視すると暴動すら起こすのである。

 

イギリス人のように騒々しいくらい自身の権利を主張することなんて、とかく”自己責任”という言葉を雇う方・雇われる方問わず大好きな、慎ましい日本人は一体いつになったらできるだろうか?しかし、アメリカではバーニー・サンダース、スペインではパブロ・イグレシアス、そしてイギリスではジェレミー・コービンのような政治家が多くの人々の支持を集めていることからわかるように、世界は1%の富が集中している層VSそれ以外の99%、という”反格差””反貧困”を訴える方向に変わり始めている。名もなき日本の小市民の一人だって、お金持ちじゃなくったって、もっと生きる権利を主張してもいいんだよ、そして権利というのはいつだってそこにあるものではなく自分たちの手でつかみ取らなければならないのだ、と日本人がつい忘れがちなことを思い出させてくれる、そんな本なのです。

 

 

 ↓ブレイデイみかこさんが人生の師と仰ぐ、元セックス・ピストルズのヴォーカル、ジョン・ライドンの最新自伝。一見むちゃくちゃなこと言ってそうで一本筋が通ってます。

ジョン・ライドン 新自伝 怒りはエナジー

ジョン・ライドン 新自伝 怒りはエナジー

 

 

片手首骨折!こんなとき困ることあれこれ

独り言

震災の影響でドタバタした毎日を過ごしてました。で、やっと一息ついたところでやらかしてしまいました。バイクの転倒事故で左手首骨折(泣)

 

その骨折も、かなり複雑な粉砕骨折らしく即入院、そして来週明けには手術の予定、なのです。はぁ…

 

そんな訳で暇を持て余してることもあり、久しぶりにブログを書いてる次第。もちろん病室からスマホで片手で打ち込んでます。

 

さて、いざ片手が使えない生活を余儀なくされると普段は気付けない不便さに否応なく直面することになりました。まぁ滅多に経験できないことでもあるんで(したくもないけど笑)、今回は健忘録としてあれこれ書き残しておこうと思います。

 

○片手が使えないと…スマホの充電が面倒だぞ!

 

まずはこれ、ですね。スマホに充電ケーブルを差し込むことが片手だとこれほど面倒だとは。怪我した手でスマホを立てつつ、穴を上に向け、そこにケーブルを突き刺す。これがなかなか上手くいかないのよ!もし私と同じ状況で長期の入院とかになった場合なら、置くだけで充電できるワイヤレスチャージャーを用意したほうがいいかも。

 

 

 

○片手が使えないと…ペットボトルの蓋が開けづらいぞ!

 

病室は乾燥してるので喉が乾くのです。しかしペットボトルを買ったはいいものの、蓋を取るのが片手だと面倒!結局手で固定しつつ、歯で蓋を噛みながら、ボトルをグルグル回して外すことに成功!…まぁ看護士さんに頼めばいいことなんですが、これくらいのことでいちいち呼んでもなぁ、と思いまして。

 

そしたら片手でペットボトルの蓋を開けるのに便利なグッズってあるんですね!さすがAmazonさん!

 

 

スマイルオープナー イエロー 1124502A

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○片手が使えないと…シャワーが浴びにくいぞ!

 

とにかく包帯巻きの手を濡らせないし使えないのでシャワー、そして身体を洗うことは誰かの手助けなしではできませんね。調べてみたら、包帯を濡らさないよう保護する「入浴防水プロテクター」なるものがありますね。

 

 

 これ、何度も使えるみたいだし装着も簡単そうなんで(これ大切)退院したら買ってみようと思います!

 

○片手が使えないと…本を読むのも一苦労するぞ!

 

入院生活はとにかく暇、なので普段集中して読めなかった本を幾つか持ってきてもらったのですが、片手だとページをめくる、こんな些細なことでも面倒でした。ちょっと厚めの本だと尚更。やはりこんなときは指一本でスクロールできる電子書籍、ですかね。

 

 

Kindle Voyage Wi-Fi、電子書籍リーダー

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…と、疲れてきたんで今日はここまで。しかしなんだかんだいっても、こういった緊急時に頼りになるのはやはり家族、です。私、わりと嫁さんにキツイこと言ったりしてたんですが、ここぞとばかりに『ほれほれ、やってほしければお願いします!って言いなよ』とからかわれてます苦笑。普段から身内には優しくしといたほうがいいですよ〜(いやマジで)。