10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

スガシカオの内なる反逆精神 ~またはノイズとアイドル~

ミュージシャン・スガシカオの9/7のブログに書いてあったことが面白かったので取り上げてみます。

スガシカオといえば、サラリーマン経験を経た後にデビューした遅咲きのシンガーソングライター。アコギで奏でる切ないバラードとファンクテイストのポップスを繰り出す職人気質な方、というイメージ。私も彼のデビューアルバムはよく聴いてました。

CLOVER

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 ですが、実はプロになる前に

ノイズミュージックをやっていた、という逸話はどこかで聞いたことはあったんです。

ノイズなのにミュージック?と思われる方もいるかも、ですが、そうです何でもありの音楽の世界にはノイズ・雑音をあえて聴きたがるマニア中のマニアな方々がいるのです。

ちなみにその世界で先駆者的なアーティストをいくつか紹介すると
まずは日本が誇るノイズユニット”非常階段”

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 ↑これスガシカオがブログで”聴きまくってた”って書いてたやつ。なんちゅうジャケ!

 

イギリスには1975年に結成された”スロッピング・グリッスル”

20 Jazz Funk Greats

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 ↑なんか爽やかなジャケ写真ですが中身は壮絶なノイズの嵐

 

ドイツには1980に結成され今も活動を続けている”アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン”

Kollaps

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 ↑ヴォーカル・ブリクサのカリスマ的佇まいも魅力。

 

また”あまちゃん”のサントラを手がけた”大友良英”も元々はそちらの分野で有名でしたし、

シャッター商店街と線量計 大友良英のノイズ原論

シャッター商店街と線量計 大友良英のノイズ原論

 

 究極にアンダーグラウンドなジャンル故にあまり知名度がないのですが、実際は世界中に”ノイズミュージック”を志向しているバンド・ユニットが無数に存在しているのです。

彼らは、ときに全くチューニングを施していないエレキギターをかき鳴らしたり、解体工場から拾ってきたドデカイ鉄の塊をぶっ叩いたり、金切り声を上げたり、金属の物体に増幅器をとりつけて音を出したり、様々な方法で”雑音”を作り出して言うなれば音の可能性を追求しているのです。
ま、単なる頭のイカれた人たち、ともいえますが。

私個人としては、あんまりこの手の音源を頻繁に聴く事ってないんですが、でも面白さはわかるつもりです。音楽のセオリーを完全に無視し、演ってる自分でもどんな音が出てくるのか分からない。つまりは全ての予定調和から解放された”音楽”、そこには作り手の意図をも超える真に自由な表現としての可能性があると思うんです。

…しかしそんなことをあのスガシカオもやっていたわけですね。あんな涼しげな顔して。なんだかメロディーと繊細な歌詞を大切にして普遍的かつ高品位なポップスを作り出してる今の彼のスタイルからは到底想像つきませんが。

 

ブログにはBiS階段のことがえらく気に入ってることが熱く綴られてますね。
一応説明しておくと”〇〇階段”とは前出した非常階段というノイズユニットが自身の活動と並行して80年代から様々なバンドたちとコラボレーションする際につけてた名称で、今回のコラボの相手は”BiS”というアイドルユニットだったわけ。

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 BiSはくしくも先日解散してしまいましたが、活動初期からメンバーが全裸で森の中を走るPVだったり、握手会ならぬハグ会開催などおよそアイドルらしからぬ、つうかアイドルがやっちゃダメということばかり率先してやってた(やらされてた?)破天荒な娘たち。


最初、彼女たちが非常階段と組む話を聞いたときは『そこ手つけちゃいます?』って思いましたね。
だってスガシカオも書いてますが、非常階段の全盛期のライブは豚の臓物を客席に投げつける、メンバーの女性がステージ上でオ〇ッコをする等、今では伝説と言われるくらい非常識極まりないことをやってましたから。

でも蓋を開けたら両者のコラボは相思相愛の大成功だったようで、かなり話題になってました。しまいにはイギリスの辛口で有名な音楽雑誌"wire"にも取り上げられたりしてましたしね。


でもよく考えたら己のドロドロした情念を爆音のノイズに託す非常階段と”アイドルとして輝きたい・でも普通にやってても話題にもならない”というのっぴきならない地点で悶々としていたBiSの娘たちとは深い所で繋がっていたのかもしれません。
で、それはきれいごとばかりが跋扈する世間様との間で起こる様々な摩擦・軋みが曲作りの源泉の一つになってるようにも見受けられるスガシカオにも通じるものがあるのでは、と思うのです。
”ヒットチャートを駆け抜けろ”なんて高らかに歌いながらも一方では非商業的でアンダーグラウンドな音楽にも惹かれる、反逆精神を心の奥底に秘めているアーティストであることが今回のブログで垣間見えたのが私としては非常に興味深かったんですよね。

でも一番驚いたのは彼のファンでしょうな。多分非常階段とスガシカオ両方好きです、なんて人そうそういないでしょうから(笑)。

※この記事書いた後知ったんですがBis階段なんとセカンドアルバム出すらしいっす。マジか



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