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10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

知らないうちに”アメリカン・ビューティー”の主人公と同じ歳になってたよ、というお話

映画を観てて地味にショックなこと、つうのがありまして。

それは昔観た映画の主人公の年齢と自分のそれがいつの間にか同じになってた、ってやつ。

 

いや映画の登場人物はそのままだし、私は順当に歳をとっていってるわけなんで当たり前っちゃ当たり前なんですけど。

 

『うわぁ、映画で起こってることを他人事だと思ってたけど、同じ歳になってしまった自分にも十分起こり得ることなんだよな…』となにかを突き付けられてる気がするんですよね。

 

この間観直した映画”アメリカン・ビューティー”がまさにそのケース、だったんですわ。

 

アメリカン・ビューティー [DVD]

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1999年製作、ですから今から15年前の映画になりますか。確か2,3年後にレンタルで観たような思い出があります。

 

当時話題作に軒並み出演していたケヴィン・スペイシーが主役のレスターを演じてるんですが、その設定が42歳。今の私と同じ歳なことに、これ改めて観てはじめて気づきました。

あ、一応知らない方のためにあらすじの説明を。

 

広告代理店に勤め、シカゴ郊外に住む42歳のレスター・バーナム。彼は一見幸せな家庭を築いているように見える。

しかし不動産業を営む妻のキャロラインは見栄っ張りで自分が成功することで頭がいっぱい。娘のジェーンは典型的なティーンエイジャーで、父親のことを嫌っている。

そんなある日、レスターは娘のチアリーディングを見に行って、彼女の親友アンジェラに恋をしてしまう。そのときから、諦めきったレスターの周りに完成していた均衡は徐々に崩れ、彼の家族をめぐる人々の本音と真実が暴かれてゆく。

                                   wikipediaより

 

 20代の頃観た時は所謂”ミッドライフ・クライシス”中年の危機のオッサンを扱った作品、だということで遠い将来、こんな状況にシンパシーを感じるかもしれない話かもなぁ~などと所詮他人事で済ませたわけです。

 

ですが今やその中年の危機まっただ中、の私。レスターの行き詰まり感、崖っぷち感、そして停滞してしまっている現状を打破、というか破壊してしまいたい感が痛いほど分かるようになってしまってましたよ。

 

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まずこの映画で起こる事件の一つである、中年男・レスターが高校生の娘であるジェーンの友達・アンジェラに恋をする、という件。

 

この恋心は生きる活力を完全に失っていたレスターにとって、自身の人生を考え直すきっかけになる重要な出来事になるわけです。それが娘にとっては気持ち悪がられることであっても。

 

ところで私にも現在8歳になる一人娘がおりますんで、数年後にはこれと同じシチュエーションになることは間違いないのですが、その際、若い魅力的な女の子を前にして私が平静を保っていられるかどうか…う~ん全く自信ない(笑)

 

ただレスターの行動はフラストレーションのはけ口的な意味合いもあるわけで。つまりそれはその頃に、どれだけ自身の生活に満足できているか?にかかってるかもしれません。

 

ちなみにレスターは若い頃マリファナも経験してる、とそれなりにヤンチャしてたという設定。それに引き替え私、元来の奥手な性格もあって特別尖がったこともしなかった大人しい青春を送ってきただけに、逆にオッサンになったことで変なコダワリもなくなったが故にレスター以上の極端な行動にでるかもしれん、などと自分のことながら心配になってます。んんん…やっぱヤバいかも私。

 

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 ↑70代の頃、18歳の少女に恋をしてしまった文豪・ゲーテ。すげぇ…

 

 

レスターは人事査定の人間に散々悪態をつき、さっさと会社を辞め即座にハンバーガーチェーン店でバイトを始めます。まぁ会社を辞めることに関しては私も明日にでもやりそうなことなんですけど(笑)。レスターのように今までのキャリアを顧みず、いってみれば格下のパート生活に飛び込むことができるか?と問われると…かなり迷うとこです。

 

だからこそレスターの後先考えない吹っ切れっぷりの尋常のなさ加減に若干の尊敬の念すら感じたりして。

 

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 ↑普通40代の退職はいろいろ考えますわな。

 

 

〇真の”美しさ”に気づくことができるか?

嫁には軽んじられ、娘には疎ましがられていたレスターがその家族の虚栄を自ら暴き立て、怒りのままに未成年である娘の友達・アンジェラに手を出すその寸前、彼女の意外な告白により冷静さを取り戻すんですね。

 

それはとうに純粋さを失ったと思っていた女の子の心に秘められた傷つきやすさを見出したことで真の”美しさ”を感じた瞬間でもあった、と。

 

また他の登場人物、レスター家の隣家の息子・リッキーが風で舞い上がるゴミ袋をヴィデオカメラに収めているエピソードや、豊胸手術をしようか悩んでいたレスターの娘・ジェーンが『そんなことする必要ないよね』とリッキーに自身の十分立派な胸を見せるシーンも、つまりはそんなありきたりな中にある”美しさ”に気づいた、つうことなんですよね。

 

さて、エンディング近くになってはじめてレスターは今やバラバラになってしまった家族にも昔はキラキラ輝いていた幸福なときがあったではないか…なんでその”美しさ”をずっと忘れていたんだ…というとこまで思い当たる。しかしその矢先に最悪な事件が起こる、と。いやぁ久しぶりに観直してこの映画の脚本の素晴らしさを再確認しましたね。スゴイよこれ。

 

ままならない生活の疲れ、そしてなにより希望と可能性が無尽蔵にあった若さが確実に失われてしまった、と嫌でも思い知る年頃である中年期。とかくフラストレーションを溜めてしまう、そんな年頃にもしかして大切なのは今まで積み重ねてきたなにげない生活の中にひっそりと平凡に存在している”美しさ”に気づき、そこに喜びを見出すことなのかもしれない。

 

映画って同じ作品で観た年齢によって感じ方・捉え方が違ってくるときがあって、それが映画というものの一番の醍醐味だと思うんですけど、この”アメリカン・ビューティー”はその楽しみの神髄を久しぶりに感じさせてくれた実にいい作品でした。これからも折に触れて観ることになりそうです。

 

※久しぶりに観てレスターの嫁を演じたアネット・ベニングが素晴らしいな、と思ったことも記しておきます。観る人全てが醜悪だと感じるであろうあの役をどこかキュートなとこも残しつつ演じ切ったその才能は賞賛に値すると思います。

 

 


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