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10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

”Glee”を生んだ天才クリエイター、ライアン・マーフィーの映画”ハサミを持って突っ走る”が面白かったよ、という話

海外映画・ドラマ

 先日レンタルDVD店にて物色してた際、とても風変わりで興味をそそるタイトルの映画を見つけまして。

 

ハサミを持って突っ走る [DVD]

ハサミを持って突っ走る [DVD]

 

 

”ハサミを持って突っ走る”?なんだそれ?…とパッケージを手に取ってキャストを調べると先日のエントリー”知らないうちに”アメリカン・ビューティー”の主人公と同じ歳になってたよ、というお話 - 10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~”で書いた”アメリカン・ビューティー”にも出演していたアネット・ベニングやグウィネス・パルトローといった結構豪華キャストが出てる作品だということが判明。

 

さらにスタッフクレジットを読んでみたら、この映画の監督はあの”Glee”の脚本家、ライアン・マーフィーではありませんか!?(製作にはあのブラッド・ピットも参加)

 

今は”ブレイキング・バッド”にハマってる私ですが、それまでは”Glee”のDVDを毎週一本借りてきてはじっくり観るのが楽しみでした。(シーズン4まで観たので早く5がレンタル開始されないか、と心待ちにしている状態)

 

glee/グリー シーズン5 DVDコレクターズBOX(日本オリジナル100話記念ポストカード付)

glee/グリー シーズン5 DVDコレクターズBOX(日本オリジナル100話記念ポストカード付)

 

 

”ブレイキング・バッド”とは違って家族と観れる”Glee”。いつも嫁と”この脚本を書いてるライアン・マーフィーは天才だな”と興奮気味に褒めちぎっていましたね。

 

…で、この映画”ハサミを持って突っ走る”はライアンが”NIP/TUCK マイアミ整形外科医”というドラマで成功し、その後”Glee”を手がける直前の2006年に製作してます。

面白いのは、”ハサミを持って突っ走る”には”Glee”の原型になるようなイメージが随所に散りばめられているところ。(※これから先は”Glee”を観ている、という前提で書きますのであしからず)

 

 アルコール依存症の父ノーマンと有名詩人になることを夢見る情緒不安定な母ディアドラのもとで育ったオーガステン。彼も幼い頃から同性愛に目覚め、将来は美容師や物書きになりたいと願っていた。やがて、両親の険悪な仲に収拾がつかなくなったことを機に、オーガステンはディアドラ掛かりつけの精神科医フィンチの家庭へ預けられることに。その風変わりな一家に始め戸惑いながらも、次第に打ち解けていくオーガステン。こうして彼はこの家族との暮らしや経験を経て、ある決意を固めるのだが…。

allcinemaより転載

 

まず13歳でゲイを自覚する主人公であるオーガステンの造形がまさに”Glee”のカート君そっくり。(もちろんそこには自身がゲイとカミングアウトしているライアンを投影してるわけだけど)

 

あと、登場人物全てがどこか変わってて、世間の枠組みからはみ出してるとこも”Glee”っぽい。

 

ただこの”ハサミを…”に登場する人たちの変わり者っぷりは常軌を逸してて。特に精神科医フィンチ家の人々の異様さにはちょっとひいてしまうほど。

 

威厳たっぷりのフィンチ先生、自身のウ〇チが天を向いて立ってるぞ、これは神様の啓示に違いない!と家族をトイレに集め奥さんに乾燥させて飾っておけ、と命令する奇人っぷり。

 

その奥さん・アグネスは頭ボサボサ、一日中テレビを観ながらドックフードをかじっている、というこれまた病みっぷり。

 

養子の長男・ニールも情緒不安定。もう40近いのに13歳のオーガステンの初体験を奪ってしまう。

 

長女・ホープは飼い猫に餌をあげずに殺したり、その遺体を掘り起こしてスープにした、などというジョークか本気かわからんことを口走ったり。

 

次女でゴスロリメイクの妖艶な美少女、ナタリーはオーガステンにいきなり電気ショックを与えようとしたり。

 

 …なにその映画?とお思いでしょうが、こんなヘンテコな人たちの中で一人正気と優しさを保とうと奮闘しているオーガステンの健気さがなんだか哀しくて泣けてくるんです。(自伝小説の映画化、つまり実話だそう)

 

正直中盤までこの映画独特のシュールなリズム感に乗れなかったんですが、変なフィンチ家の人たちの抱える悲しみが次第に透けてくる後半のシリアスな展開にはグッとくるものがありました。

 

どうしようもない人のどうしようもなさに泣かされる、そんな映画もあるよね。

個人的には今まで観たことないタイプの映画で傑作といえるものだと思いました。

 

”アメリカン・ビューティー”でも癖のある女性を演じていたアネット・ベニングは少しづつ心を病んでくる女性を圧倒的な演技で見せてくれますし。

 

あと心憎いタイミングで挿入される、70年代ポップロックの選曲のセンスがさすがライアン・マーフィーだな、と思ったり。

 

ただこの映画、コメディーの棚に置いてあったけどそれほど腹抱えて笑える、つう感じでもないんだよなぁ…実に不思議な味わいの映画でしたね。

 

 


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