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10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

アイスランドの宅録おばあちゃんから学ぶ”真に自由な精神”とは?!

私が『なんか面白い音楽ないかな~』と思って探す時参考にしている本がいくつかあるんですが、その中の一つが”宅録~D.I.Yミュージックディスクガイド”。

 

宅録~D.I.Y.ミュージック・ディスクガイド HOMEMADE MUSIC (P‐Vine BOOKs)

宅録~D.I.Y.ミュージック・ディスクガイド HOMEMADE MUSIC (P‐Vine BOOKs)

 

 

文字通り”宅録”、高いスタジオや機材を使わず自宅などで録音しアルバム化された音源を有名無名・古今東西問わずこれでもかと紹介してる、というありそうでなかったスタンスの開くたびに新しい発見のある本でございます。

 

…さてこの本には載ってなかったんですが、取り上げられててもおかしくない、とあるミュージシャンのことをツイッター経由で知りまして。

 

アイスランドのレイキャビックで、2011年、ひとりの女性がひっそりと息を引き取った。Sigríður Níelsdóttir(シグリドゥル・ニールスドッティル)、享年81歳。アイスランドのミュージシャンたちが深い愛情と尊祟の念を込めて「Amma Lo-Fi(ローファイおばあちゃん)」と呼んだ女性だ。世界的な評価を受けるビョークやシガー・ロスといった大物ミュージシャンから、街角で演奏するアマチュアまで、誰もが敬愛した稀有な存在だった。

 

このシグリドゥル・ニールスドッティル、というなんともややこしい名前のおばあちゃんについてのドキュメンタリー映画が作られていることを知り、もうずっと観たくて仕方なかった私。先日やっとAmazonよりDVDが届きまして鑑賞することができました!

 

 


Grandma Lo-fi: The Basement Tapes of Sigrídur ...

 

 

1930年デンマークで生まれたシグリドゥルおばあちゃんは第二次大戦のヨーロッパ、という過酷な時代を経験、その後19歳で地元の漁師と恋に落ちるが船が沈没。その捜索をしているアイスランドに単身移住し、そこで知り合った男性と結婚。4人の娘を育てるごく平凡な主婦として生きてきた。

 

転機が訪れたのは60歳代後半。娘たちからプレゼントされたシンセとカセットデッキつきコンポを使い多重録音で自作曲を録りためはじめた彼女、なんと7年間でアルバム計59枚、687曲に及ぶ曲を作ったのだった!なんという旺盛な想像力!

 

さらに当初は身近な人たちに聴かせることで満足してた彼女が、しだいにそれでは飽き足らなくなり自身でアートワークを凝らしたCDを作り、地元のレコードショップに持っていき販売まで行うようになる。まさに完全DIY精神のインディーアーティスト。そしてそれが地元のミュージシャンやメディアに高く評価され一躍アイドル的存在になったのだった…

 

たき火の音を再現するときはアルミホイルをくしゃくしゃさせて音を出したり、パーカッションとしてボタンを入れた小瓶を振ってみたり、はたまた近所の猫の鳴き声を録音してみたり…その発想は自由闊達そのもの。目をキラキラさせて録音やCDのパッケージング作業に日々勤しむ彼女の姿を見て、なんか久しぶりに心が震えたんですよ。

 

先に紹介した”宅録~D.I.Yミュージックディスクガイド”の帯にはこんな言葉が掲げられてるんです。

『自分のために、やる音楽!』

 

そう誰の為でもない、ただただ自分が楽しみたいために音楽と戯れる。元々音楽ってそうしたものだったんじゃない?…しかしそれは以前宅録をやっていた私が忘れていた感情でした。

 

というのも独りで録音を始めたときは一から楽曲が徐々に完成していくことそのものに喜びを感じていたのに、次第に曲の完成度だったり聴いた人のレスポンスが気になり始め、自分が思ってたほどにはリアクションがないことに落ち込んだりして。で、結局肥大化した承認欲求から逃れたいが為、宅録自体を辞めてしまった私からすると、そうしたややこしい自意識に囚われず、かぎりなく自由なシグリドゥルおばあちゃんのまさに無邪気な子供のような精神の若さが心底羨ましくて仕方がないのです。私ってば心に余計な脂肪を蓄えておるなぁ…なんてちょっと恥ずかしくなったわ観てて。

 

もちろん元々アイスランド出身のミュージシャンや北欧あたりの可愛いもの好きな方、またまるでスーパーの陳列棚に並べられたような整えられたものより不格好でも味わいのある手編みのセーターのような音楽を聴きたい、なんて方ならズッポシハマること請け合いな世界観に満ちた作品ではありますが、個人的にはなにかをクリエイトすることに興味がある、またはそうした活動を現在やっているという人全てに観て欲しいドキュメンタリーですね。なんか勇気とやる気が沸いてくるよ。私も久しぶりに録音機材に手を伸ばしたくなったもん。

 

 

Finally We Are No One

Finally We Are No One

 

 (↑特にアイスランドのバンド・MUMが好きなら絶対彼女の作る音楽を気に入るはず!)

 

 


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