読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

倍音を意識するとよりよいコミュニケーションを得られる!?~”あの人の声は、なぜ伝わるのか”を読んで~

本・漫画

昨年のニュースで”ジャパネットたかたの名物社長が引退する”という話がありましたよね。で、その際の会見で『あの社長って普段は普通の話し声なんだ』って話題になってたのは記憶に新しいところ。

 


ジャパネットたかた社長、退任会見での「普通の声」が低すぎて驚きの声も – grape -「心」に響く動画メディア

 

それを知って真っ先に思い出したのがこのブログでも書いていた”倍音”という本。

 

ぱっとしないヴォーカリストは自分の声の”倍音”を気にしたらいいんじゃない?~中村明一著『倍音』を読んで~ - 10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

 

早速嫁に「ジャパネットたかたの社長さんはきっとより注目されるために、ああゆう甲高い声をわざと出してたんだよ。それは”整数次倍音”といってね…」などとしたり顔で語ってた私、なのでした。

 

 

さてネットでの検索から前回”倍音”のことについて書いたエントリーに辿りついてる方が日々若干数いらっしゃるようでありがたい限りでございます。

 

 

さてこの”倍音”という本が非常に読み応えがあったこともあり、もっと理解を深めたいと思っていた私、先日やっと著者・中村明一氏のいわば続編的な作品を読むことができたのでおさらいの意味も込めてブログに書き記しておきます。

 

あの人の声は、なぜ伝わるのか

あの人の声は、なぜ伝わるのか

 

 

前回の”倍音”と比べると随分くだけた感じの装丁になってますが、内容の方も『倍音を意識することでより生活を豊かにする』という具体的かつ実践的になってたんで、もし興味のある人はこの本から読んでみると分かりやすいかも、ですね。

 

〇まず”倍音”とは?

普段私たちが聞いている音には”基音”と”倍音”の組み合わせで形作られています。
基音はテレビ放送が終了した後流れてくる『ピー』っていうあれ、です。自然界では聴くことができない混じり気のない音。そして倍音は基音以外の音の成分のことで、主として音色を決めると言われています。
 
 
日本人は古来よりその倍音に対する感受性が強い民族でした。それは日本の風土や日本人の体格などが要因ではなかろうか、と中村氏は考えています。
 
 

〇倍音コミュニケーションの可能性

 

また中村氏は本書で現代社会でコミュニケーションに悩む人が増えているのは話している内容に問題があるというより倍音が非常に豊かな言語である日本語を上手く活用していないからなのでは?という主張をされています。

 

日本人はしばしば、外国人に「日本語は表情に乏しい」「何を考えているのはよくわからない」といった批判を受けます。確かに、私たちは声を大きく張り上げるようなことはしませんし、大げさなボディーランゲージもありません。

ですが、その批判はむしろ私たち日本人のコミュニケーションが豊かであることを証明してくれてはいないでしょうか。つまり日本人は、身振り手振りが乏しくても、声によって十分なメッセージを交換し合っている。「日本人は表情に乏しい」というよりも、顔の表情や身振り手振りを補ってあまりあるほどに豊かな「声の表情」を持っているのです。

 

 

〇倍音は二種類ある

 

倍音には”整数次倍音”と”非整数次倍音”という二種類があります。整数次倍音は「ギラギラした音」、楽器だとチャルメラやバクパイプ、芸能人だと美空ひばりや黒柳徹子、タモリの声がこの整数次倍音を多く含んでいます。

 

整数次倍音を多く含んだ声は聞く者にカリスマ性、頼もしさ、荘厳さ、宗教性を感じさせます。

 

もう一つの非整数次倍音は逆に「ガサガサした音」、楽器だとケーナやパンパイプ、また自然の中で聴かれる音には非整数次倍音がたっぷり含まれています。

芸能人だと森進一や桑田佳祐、ビートたけしや明石家さんまなどいわゆる”ハスキーヴォイス”の人たちが非整数次倍音が強い声です。

 

この非整数次倍音を聴くと我々は親しみやすさ、重要性、優しさを感じるのです。

 

それはなぜか?

高い周波数の音を浴びると、基幹脳(脳の深部にあって生命維持に機能する中枢)が活性化され、自律神経の働きがよくなったり、生命維持に必要な免疫物質を分泌したりする。そして、ストレスの軽減、快適さの増強、リラックス効果をもたらします。…

そのような音を出すものに対しても好意を持ちますし、自分を気持ちよくさせてくれる特別なものだと判断するのも、自然なことと言えるでしょう。

人の声の整数次倍音には、高周波が多く含まれています。これが整数次倍音に私たちがカリスマ性を感じる理由だと考えられます。

 一方

自然のなかで聞こえてくる音の多くは、非整数次倍音が含まれています。…

一方、何か異変が起きたときのサインも非整数次倍音によってもたらされることが多いのです。例えば、大雨で濁流となった川のゴウゴウという音、波が岩に砕ける音、地鳴りの音、雷鳴、獣が敵を威嚇するときの叫び声、唸り声。…

言ってみれば私たちは、非整数次倍音のなかに自然の優しさ、厳しさ、恐ろしさを同時に聞いているのです。

 

〇倍音を意識したコミュニケーション術で生活をより豊かに

 

ではそれを踏まえた上で生活の場面ごとにこの二種類の倍音を意識した発声を使えば、よりよいコミュニケーションができるのではないか、ということで具体的な例を挙げています。

 

例えばプレゼンテーションをするとき、人前で誰かを褒めるとき、相手を論理に訴えて説得するとき、相手の要求を断りたいときなどは頼もしさ、カリスマ性、人を寄せ付けない孤高感を感じさせる整数次倍音

 

誰かをなぐさめたいとき、個人的に褒めたいとき、感情に訴えて誰かを説得するとき、相手に心を開いて欲しいとき、謝罪や感謝をするときなどは親しみや注意を喚起する非整数次倍音

 

これらを意識して、先の説明に挙げた芸能人の声色を真似するくらいの勢いで倍音を強調し使い分けてみたら、もっと円滑なコミュニケーションが得られるのでは?というこの本の主張はとても面白いと思いましたね。

 

だって今まで営業トークなんかの本を読んでも心理学に立脚した何を話すか?ということが書かれたものは多くあったけど、こうしたどうゆう発音をすればいいのか、という声の音響面に着目したものにはお目にかかったことがなかったから。

 

宮崎 哲弥 & 中村 明一 - 倍音の秘密とは - YouTube

 

(↑評論家・宮崎哲弥氏の番組に中村明一氏が出演して倍音のことを話してる映像を見つけました。非常にまとまって話されているので私の文章より分かりやすいかも)

 

かもめんたる 「パン泥棒」 - YouTube

 

(↑”かもめんたる”の『古い日本映画の登場人物の話し方をする』というコント。昔の日本人は口をあまり開かない話し方をしてるけど倍音を強調していたので意外と明瞭に聞こえる、という例)

 

 

あと本の後半では、こうした倍音を出しやすい呼吸法”密息”についての説明が書かれていてこれもたいへん興味深かったです。この密息については中村氏が別にまとめて本を書かれているので、近いうち読んでみたいと思ってます。

 

「密息」で身体が変わる (新潮選書)

「密息」で身体が変わる (新潮選書)

 

 

とにかく今回紹介した”あの人の声は、なぜ伝わるのか”も前作”倍音”同様見事な日本人論にもなっていて、そういった意味でも一読の価値があると思いますよ!

 

 


本・書籍 ブログランキングへ