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10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

哀しき遊女を描いた傑作漫画”蝶のみちゆき”

漫画をあまり読まない私なので、あんまり偉そうなことは言えませんが読み終わって久々にブルっと感動した作品に出会ったので是非紹介したいのです。

 

蝶のみちゆき (SPコミックス)

蝶のみちゆき (SPコミックス)

 

 

蝶のみちゆき

蝶のみちゆき

 

 

江戸末期の長崎は丸山遊郭。『つるつると掴みどころがなく、おたおたしているうちに気づけば体中締め付けられてる、あの女は蛇だ(ヒェ〜っ)』とまで評されるほどの妖艶な魅力で男たちを翻弄する人気遊女”几帳(きちょう)”。彼女の顧客には出島でオランダ人軍医をしている初老の白人・トーン先生もいる。

 

几帳にはかつて”源さん”という男に根曳き(遊女が男に身代金を払ってもらい遊郭を出て結婚すること)を受けたのだが再び遊郭に戻っている。その漢方医である源さんは当時の医療では治療不可能な脳の病に侵されている。源さんの先妻との息子・健蔵は几帳が真面目な父をたぶらかして結婚し、なおかつ病気になったらさっさと元の遊郭に戻ってしまった、と恨みを抱いている。

 

几帳はトーン先生に源さんのことを兄だ、と偽り治療を受けさせている。トーン先生は治療代はいらない、また授業料もいらないから自身の教えを受けに来い、と健蔵を誘う。

 

晴れて医学の道に進む健蔵。生活費を作るため家に残る金目の物を質に入れるよう下男に頼む。しかし下男はどうやら今までその金目の物を売らずに家に隠していたようだ。『ではどうやってお金を工面していたのか!?』と問いただす健蔵は意外な真実を知るのだった…

 

おっとと、これ以上書くと野暮なんであらすじはここまでにしておきます。後は是非読んで確認していただきたいですね。

 

しかし作者である高浜寛氏(一応書いておきますが女性です)の画力の確かさ、時代考証の深さ、そしてなんといっても当時の遊郭の雰囲気が匂い立ってくるようなストーリーテリングの妙に唸らされっぱなしでしたね。とかくこうした女の世界を描くとなるとおどろおどろしい、というかどろどろしたものになりがちなところを寸前で抑え、静けさの漂う気品と哀しみが全編に貫かれている点も素晴らしいと思いました。(露骨な性描写を抑えてるのもいい)海外でも話題になってる、というのも納得です。

 

あと熊本出身の高浜氏だけに舞台である長崎の方言を実に違和感なく台詞に取り込んでます。九州人としては嬉しかとですよね、ほんなこつが!

 

これは是非とも映画でもテレビでもいいんで映像化していただきたい!いや漫画として十分完成されてるんだけど、それによってこの漫画の存在がより多くの人に届けばいいな、という気持ちなのです。

 

(↑映像化の際は是非彼に出演依頼を(笑))

 

 

遊女の文化史―ハレの女たち (中公新書)

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図説 吉原事典 (学研M文庫)

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