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10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

持たざる者たちの物語を語れ~イギリス伝統の”左派映画”最新版『パレードへようこそ』~

東京では現在上映中のイギリス映画”パレードへようこそ”。いやぁこれは早く観たい!予告編を観ただけでも心が躍ります(ま、なかには予告編ほどは面白くなかった、なんて映画もありますが、これは大丈夫でしょうきっと)

早く九州でも公開してほしいな!

 

www.cetera.co.jp

 


『パレードへようこそ』予告編 - YouTube

 

イギリスにはケン・ローチという、一貫して労働者階級の人々の喜怒哀楽を語る超絶偉大な映画監督がいるわけですが、この”パレードへようこそ”もそうした系譜に加わる作品のようですね。

 

1984年、イギリスで炭鉱労働者たちがストライキを起こした。それを応援すべく、レズビアンとゲイの活動家グループが炭鉱夫の家族のために募金活動を始める。全国炭鉱労働者組合は同性愛者の団体から公に支援を受けることに対して抵抗感を持っていた。そのため、活動家たちはウェールズにある小さな炭鉱町、オンルウィンに直接寄付をすることにした。結果として、炭鉱労働者たちと同性愛者たちの間で、協力を模索する動きが出てきた。当初、両者の協力は失敗に終わると思われていたが・・・。wikipediaより

 

まず私的に嬉しいのは予告編の初っ端で大々的に使用されてる曲がビリー・ブラックがエレキギター弾き語りで唄う"There Is Power in a Union"だということ!!

 

www.youtube.com

 

 

 ビリー・ブラックといえばアラフォー世代で若かりし頃熱心にブリティッシュロックを聴いてた方ならご存知かな?ここ日本では随分長いこと彼の動向があまり語られてないような気がするけど、『エレキギターを抱えたアクティビスト』『一人クラッシュ』と呼ばれた筋金入りのザ・レフト、左派的指向を前面に打ち出したシンガーソングライターであり、まさにこの映画のサントラにふさわしい人物。

 

TALKING WITH THE TAXMAN ABOUT POETRY(紙ジャケット仕様)

TALKING WITH THE TAXMAN ABOUT POETRY(紙ジャケット仕様)

 

 (↑彼の唄は社会問題を扱ったものだけじゃなく市井の人々の恋物語や孤独を扱ったパーソナルなものまで実に幅広いのです)

 

しかしこうゆうミュージシャンが地道に活動し支持されたり、こういった政治色の強い題材を真正面から取り上げた映画が作られる地盤があるイギリスという国の奥行きの深さが素晴らしいな、と思うのですよ。

 

だって日本にも先頃引退宣言をした宮崎駿氏や一貫して庶民が主役の映画を撮り続ける山田洋次氏など左翼(って言葉を使うとザックリしすぎて語弊があるかも。社会主義の元々の理念であった平等や弱者の救済を目指す精神)指向の表現者はいますけど、彼らが一線から退いたらその志を受け継ぐ映画人がいるんでしょうか?ちょっと思いつかないんですけども。

 

体制や支配層に対し彼らに抑圧される側の人々、”持たざる者たち”とも言える私やあなたの人生に通じる世界を活写した映画に拍手喝采する…かつての寅さんシリーズもまさにそうした種類の映画だったと思うんですよね。

 

「山田洋次 映画監督50周年」記念企画 寅さん、あなたが愛される理由

「山田洋次 映画監督50周年」記念企画 寅さん、あなたが愛される理由

 

 

 

 …ところでなんだろ、これは私が勝手に思ってることなんですけど最近の日本に漂う雰囲気ってこの”持たざる者たち”同志が互いにいがみ合ったり足を引っ張ったりし合って、結局は同じ被抑圧者なのに助け合ってないような、そんな感じがするんですよね。

 

この実話を元にした”パレードへようこそ”でも当初同性愛者の若者たちの援助を炭鉱組合が突っぱねるんですよね、『お前らと一緒にするな』と。抑圧されてる者同士の中でも優劣をつけてけん制し合い協力して戦おうとしない。こうした仲間割れこそ支配層の思う壺なのに。

 

しかしこの映画でのLGBT活動家たちは諦めず何度も救援の手を差し伸べる。一度拒否されたくらいではへこたれない。だって彼ら炭鉱街の人々を見捨てることは自分たちをないがしろにすることと一緒だから。

 

youpouch.com

 

この”救いの手を払いのけられても決してくじけないこと””何度でも手を差し伸べ続けること”の尊さと強さ。このがむしゃらな行動力こそが未来を変える力なんだよな…なんてまだ観てない映画なのにさも観たように語っちゃいましたが(笑)、今の日本に漂う閉塞感を打ち破るヒントがこの映画には詰まってるような気がするのですよ。単館上映で地味な作品だからなかなか多くの人の注目を浴びないだろうけど、観る機会がある人は是非映画館に行ってほしいな、なんて思う次第なのです。

 

 

 

ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)

ザ・レフト─UK左翼セレブ列伝 (ele-king books)

 

 (↑文化人・芸能人でも政治的な発言をするのが当たり前、いやむしろしないことは意識が低い、恥ずかしいこととさえ思われるイギリスの左翼セレブリティ―についてのエッセイ集)

 

 


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