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10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

映画”シェフ 三ツ星フードトラック始めました”をやっと観た!本年度暫定ナンバー1!

1996年、東京に住んでいた私は、とある映画を観に行ったのです。

 

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”スウィンガーズ”と題されたその映画は、『売れない役者が自身の失恋経験を元にした脚本を映画化した』という触れ込みだった。その情けなくもいじましいエピソードに惹かれて観に行ったのだが、主役はジョン・ファヴローというお世辞にもハンサムとはいえない小太りの男、低予算であることが一目瞭然なロケ撮影、共演してる俳優も知らない人ばかり、というハンディーをもろともせぬ面白さで周りの映画好きの友人にしきりに勧めた思い出がある。(※ちなみに監督はダグ・リーマン。ジョン・ファヴローは脚本と主演)

 

しかしそのジョン・ファヴローがその後、監督として”アイアンマン”などのエンタメ大作の映画をヒットさせたのには驚いた。”スウィンガーズ”では”レザボア・ドックス”のパロディーをやってたり、と、どちらかというと映画オタク的な資質の持ち主だと思っていたので。

 

 (※あと書き加えておくと、以前このブログで紹介した”エルフ”という映画はジョン・ファヴローの監督デビュー作。こちらもほんとに面白い映画なので是非観て欲しい↓)

 

10nen-ishiue.hatenablog.com

 

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…さてそんなジョンが撮りあげた新作”シェフ 三ツ星フードトラック始めました”。実は映画館で観たかったのだが、なかなか予定が合わず、やっと先日DVDで観ることができました。この映画に関してはネットでも絶賛評があちこちで見受けられたんで、かなり期待してたんですが、いやぁ期待しててよかった!実に素晴らしかった!

 

 

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(初回限定版) [Blu-ray]

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人気フランス料理店の雇われチーフシェフ・カール。ある日、辛口料理ブロガーが店を訪れることになり、腕を振るって創作メニューを出そうとするが、オーナーに『いつもの定番メニューを出せ』と指示される。その料理を料理ブロガーに『退屈な味だ』とコテンパンにけなされたカールは、息子から教えてもらったツイッターで本人に直接『もう一度店に来い!』と挑発。

 

今度こそ自分がほんとに作りたい料理で対決したい、と奮い立つカールだが、メニューの変更を許さないオーナーと大喧嘩の末、店を飛び出してしまう。その後、店に来た辛口料理ブロガーには前回と同じ料理を出すことになり、再び非難を受けたことに腹を立て店内で罵声を浴びせたことで、とうとう店を辞めることになる…

 

 

その後、映画は中古のトラックでキューバ料理の屋台フードレストランを始めるカールと息子の交流、そしてマイアミからニューオリンズを抜けるロードムービー的な色合いのストーリー展開になっていくわけです。

 

もちろんこの映画の最大の見どころは、メキシコやキューバとのハイブリットである、アメリカ南部料理の強烈に美味しそうな描写の数々であることは間違いないんですが、ファンク・ソウル・ブルース・メキシカーナ・ガンボ・ラテンなどなどの軽快なリズムが混然となったサントラも実にセンスがよくって唸ってしまった。

 

シェフ 三ツ星フードトラック始めました オリジナル・サウンドトラック

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しかし『俺が一生懸命作った料理をけなしやがって!俺やスタッフがどれだけ苦労したと思ってんだ!』と批評家に悪態をつくカールの姿は、そのまんま今まで自身が手がけた映画を酷評されもしただろうファブロー自身に重なるわけで。ある意味究極に私的な内容の作品であるにもかかわらず、映画全体をつらぬく”明るさ”がなんともいえずいいんだよなぁ。それは俳優としての成功を夢見てたがいまいちパッとせず、たまたま依頼された監督仕事で大成したジョン・ファヴローの根底にある人の好さとポジティブさ、あとそんな雇われ仕事でも真摯にプライドを持って作ってきた、という彼の自信がこの映画全体に漲ってるんですよね。久しぶりに後味がいい”アメリカ映画”観た!って気持ちになりました。

 

 ”スウィンガーズ”から20年経ち、再び主役を演じた映画でこれほどの鮮やかな快打を飛ばしたジョン・ファヴロー、あんたは漢だよ!アッパレ!