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10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

クリエイティブの歴史は即ち”パクリ”の歴史だ!…とか言ってみる

なんだかモヤ~っとした気持ちになってます。

 

デザイナー・佐野研一郎氏が手がけた2020年東京オリンピックのエンブレムが、とある外国の劇場ロゴマークにそっくりだと抗議され、その後次から次へと佐野氏の過去行ったデザイン仕事に『パクリだ!』とケチがつき、ついに昨日正式にエンブレム使用の中止が決まった、という件。

 

www3.nhk.or.jp

 

この話題は、それこそ本業のデザイナーの方々も(匿名が多いけど)発言されてるので、私ごときがあれこれ述べるのも蛇足かとは思いますが、う~ん、やっぱり少しだけ語らせて!

 

 

10nen-ishiue.hatenablog.com

 (↑ちなみにこの騒動のことを書いた過去記事はこちら)

 

 

いやね、まず今回の騒動に関してはじめに思ったのが『これからデザイン関係の方々は仕事がやりにくくなるだろうなぁ』ということ。ていうか、これからまた新しくオリンピックのエンブレムも公募するんでしょうけど、その際選ばれた人は『世界中のどれかに似てるって指摘されやしないだろうか…(ガクブル)』って心配でしょうがないんじゃなかろうか、なんて他人事ながら同情を禁じ得ないのですよ。

 

しかし、こう言ってはほんとに申し訳ないけど、広告業界って、ねぇ…ちょっと胡散臭いとこがあるじゃないですか(言っちゃった)。ていうのも、今回のエンブレムもパソコンとイラストレーター持ってて、ちょっと使い方をかじってたら、ものの2.3分でできそうな気がしません?

 

いや、もちろん一見シンプルなデザインでも、その裏には我々素人が計り知れない経験と知恵とテクニックが詰まってる、と言われれば『はぁ、そうですか…』とは思いますよ。でもやっぱ、コピーライトでもそうだけど、『これ俺にも出来んじゃねぇ?』感があるんですよね。その製作物を仕上げるのにかかった”手間暇”が、他の創作物、例えば漫画だったりイラストだったり、に比べると一般人には見えづらい、というか。

 

 

博報堂デザインのブランディング: カタチのデザインと思考のデザイン

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そこに今回の佐野氏の一連の報道は、私たちがうっすら感じていた広告業界に対する先入観に『やっぱそうか』と免罪符を与えてしまった。な~んだ、どっかのブログから画像引っ張ってきて、ちょこっと加工しただけで『作品です』なんて、さも自分が一から作り上げたかのように大手を振っていられる、そんな業界なんですね、へぇ~。そんであれですか?コンペって謳ってても結局コネとかで決まってるんですね、才能とかは関係ないんですねぇ、ふう~ん…

 

そんなユルンユルな世界、なのに”クリエイター”なんて呼ばれて花形の職業としてチヤホヤされてる、なんかシャレオツな雰囲気だし、なによりガッポリお金も稼いでるみたいだし…←きーっ!!悔しい~引きずりおろしてやれ~!(ネットを含んだ世間の声)

つうのが本音なんではないでしょうか?

 

とかくこの世は嫉妬と疑心暗鬼にまみれておりますなぁ…ふぅ…

 

 

*****************

 

さて長い前置きはさておき、ここからが本題。

 

長いクリエイティブの歴史の中では、”他者の創作物を自分の作品に取り込む手法”の様々なヴァリエーションがあります。今回の騒動と繋がる部分もあるので、ここで改めて一度おさらいしてみようか、と思いまして。

 

 

〇オマージュ

 

尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事。また作品のモチーフを過去作品に求めることも指す。

 

 

〇パスティーシュ

 

文体や雰囲気など、先駆者に影響を受けて作風が似ること。故意に似せたものを「文体模写」と訳すこともある。

 

 〇パロディ

 

他の芸術作品を揶揄や風刺、批判する目的を持って模倣した作品、あるいはその手法のことを指す。替え歌や本歌取りもパロディの一形態である。

 

 

〇コラージュ

 

現代絵画の技法の1つで、フランス語の「糊付け」を意味する言葉である。 通常の描画法によってではなく、ありとあらゆる性質とロジックのばらばらの素材(新聞の切り抜き、壁紙、書類、雑多な物体など)を組み合わせることで、例えば壁画のような造形作品を構成する芸術的な創作技法である。

 

〇トレース

 

すでにある物をなぞること。またはなぞるべき痕跡のこと。

 

 〇サンプリング

 

過去の曲や音源の一部を引用し、再構築して新たな楽曲を製作する音楽製作法・表現技法のこと。または楽器音や自然界の音をサンプラーで録音し、楽曲の中に組み入れることである。

 

 

…ざっと挙げただけで、これだけ出てきました。他者の創作物から影響を受けたり、模倣したり、なんならまんま流用・盗用したり、なんてことはクリエイティブの世界では当たり前のように行われてきたのですよ。それはひとえに『これがアートだ』『オリジナリティーだ』という固定概念を常に壊して、真に自由な精神を表現してきた結果なのです。

 

だから例えば今回のエンブレム騒動によって、これから先

 

「シェイクスピアの”リア王”を下書きにストーリーを考えました」←パクリだ!!

 

「古い写真をコラージュして絵を作りました」←パクリだ!!

 

「尊敬する村上春樹の文体を真似て小説書いてみました」←パクリだ!!

 

「自分が監督した映画に、大好きな映画”タクシードライバー”の1シーンのオマージュを入れてみました」←パクリだ!!

 

などと十把一絡げに非難されかねないのではないか?と結構真剣に懸念しているのです。なんだか世間がなにかと過剰にヒステリックになってる気がするんで。

 

…あっ、ちなみに調べてたらこんな言葉を見つけました↓。

 

 

〇エピゴーネン

 

文学や芸術の分野などで、優れているとされる先人のスタイル等をそのまま流用・模倣して、オリジナル性に欠けた作品を制作する者を指す。「模倣者」、「亜流」、「身代わり」。「パクリ」と言われるものも、用法的な意味合いとしてはこれに極めて近い。

(以上全てwikipediaより引用させていただいきました)

 

 

結局、今回のエンブレム騒動はエピゴーネンだったのか…結論としては、たとえパクリだったとしても観る者にオリジナリティーを感じさせる説得力ある作品だったなら、ここまで炎上しなかったのかも、などと思うのですが、どうでしょう?

 

 

 

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