10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

日本の”コクのある顔した男ども”はフリースタイル・ダンジョンに集まる

先日たまたまネットで見かけた記事が興味深かったのですよ。

 

indietokyo.com

 

 

現在好調といわれるイギリス映画界なのだが、世界的にヒットした作品を見ると”英国王のスピーチ””マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙”など上流階級を描いたものだったり、また活躍中のイギリス出身の人気俳優であるベネディクト・カンバーバッチエディ・レッドメイン自身が名門私立学校出身のエリート、だとのこと。

 

 

 

イギリスには巨匠ケン・ローチなどの監督を筆頭に、労働者階級の人たちの生活をつぶさにとらえる映画が作られ続けている伝統があるのだが、俳優養成学校は高額な授業料がかかることもあり、今やその手の作品にハマる、いわば生粋の”労働者階級出身”の俳優が少なくなってきている、のだとか。

 

 

映画でわかるイギリス文化入門

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もちろんベネディクト・カンバーバッチは素晴らしい俳優さんではあるんだけど、お顔立ちが綺麗すぎて、日頃パブで飲んだくれてる失業者のオヤジ役なんて到底似合いそうにないな、確かに。

 

またイギリス発のそうした下層の人たちを描いた映画自体、最近あんまりヒットした記憶もない。それこそ近々続編が公開される予定の”トレイン・スポッティング”ぐらいじゃなかろうか。

(とはいえ去年日本でも公開された、田舎の炭鉱町のストライキに都会のゲイたちが協力する”パレードへようこそ”はほんとに素晴らしかったし、もっとヒットしてもよかったと思うぞ)

 

 

パレードへようこそ [DVD]

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さてお話はここ日本でも同様で、近年の人気俳優の顔立ちを見てみると、雑種というか野良犬というか、まぁそうとしか表現できないような、なんともしれん『コクのある』雰囲気を醸し出してる人、というとなかなか思いつかない。例えば実は大企業である双日会長のご子息で若手随一の演技派、加瀬亮などは確かにそうしたバックボーンが窺える育ちのよさげなお顔立ちである。

 

 

Bellevue Ryo Kase―加瀬亮-写真+言葉+全作品

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いたいた! 中堅俳優の中では新井浩文はなかなか”コクのある”顔をしてるよね。そうだな、作業着が似合いそうな。

 

 

赤い季節(初回生産限定盤)(DVD+CD)

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しかしまぁコンプライアンスがどうのこうの、と叫ばれる時代の流れ的にそうした草食系男子的な顔立ちの俳優さんに人気が集まるのももっともなこと、かもしれない。ただ例えば”仁義なき戦い”に出演していた俳優たちが醸し出していたやさぐれ感や、幼い頃から恵まれない環境下で抑圧されていた鬱屈感をフェイクじゃなく全身で・気配で表現できる俳優が今どれくらいいるのだろう?と思うと少し寂しい気持ちにもなるのだ。

 

 

『仁義なき戦い』をつくった男たち―深作欣二と笠原和夫

『仁義なき戦い』をつくった男たち―深作欣二と笠原和夫

 

 

 

そういや、時にお笑いやミュージシャン系の人が映画やドラマに駆り出される背景には、順風満帆で育ちがよかった人には表現できないある種のニオイ・異物感を求められているのだろう。確かに今や引っ張りだこのピエール瀧の顔立ちは大卒インテリには決して醸し出せないのではなかろうか。

 

 

ピエール瀧の23区23時

ピエール瀧の23区23時

 

 

 

…さて長い前置きになったが、そんな現代日本において絶滅危惧種ともいえそうな”雑種どもがもがいてる様”をまざまざと見せつけてくる映像コンテンツがフリースタイル・ダンジョンであることに異論の余地はないのではないだろうか!!と声を大にして言いたい。

 

matome.naver.jp

 

 

二人以上のラッパーが即興でラップを交互に返しながら、その瞬発力やパフォーマンス性、そして語彙の表現力などを競い合うという、アンダーグラウンドなヒップホップのライブシーンでは長らく行われていたイベントを、地上波向けにリアレンジした形で放送する、という番組。

 

個性豊かで実力派なラッパーたちを”モンスター”と称し、チャレンジャーが彼ら一人一人を倒しながら勝ち進んでいく、なんてまるでブルース・リーの”死亡遊戯”のよう。そんな一般視聴者が入り込みやすいポップなアレンジを施した番組スタッフも相当切れ者だと思うが、それに加え日本のフリースタイルの先駆者であるMC漢を担ぎ出していたり、またジャッジマンに日本にヒップホップを輸入した張本人ともいえる”いとうせいこう”をちゃんと配していたり、またスチャダラパー一派のような所謂”オモロラップ”と強面のハードコアな連中とのいわば橋渡し的な存在であるサイプレス上野を登場させたり、とその手の音楽に一家言あるファンでも納得の幅広く隙のない配役もこの番組の成功の一因だと思う。

 

 

ヒップホップ・ドリーム

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ザ、ベストテン 10th Anniversary Best(白)(初回限定盤)(DVD付)

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んで、そうした中とりもなおさずなんといっても魅力なのは、一発ヒップホップドリームを掴むべく登場する、数々のラッパーたちの剥き出しで不敵な顔立ちなのだ。若きモンスターの一人、 T-pablowなんて甘さと危険な感じが相まったほんといい面構えしてるよな、と毎回惚れ惚れするし。

 

 

やはりこうしたバックボーンの連中に心惹かれる部分が大いにあるのは、私が新聞販売屋を営んでいた飲んだくれの親父の息子で高卒だからなのかもしれない。自分がとうに失いかけそうになっている、思い通りにならない社会に対するハングリー精神、百姓一揆的パフォーマンスをステージ上で爆発させている彼らをスマホ越しに観ることに、なにか希望のようなものを見いだしてるのかもしれない…などと思いつつ毎週放送日を楽しみにしているアラウンド40のオッサンの独り言でした、じゃんじゃん!