10年イシウエのブログ~とりあえず今日を生き抜きたいからっ!~

”凡人”10年イシウエがそれでも生き抜くために日々摂取している『心の栄養素』あれこれを書き綴っていきます。

”よそ者”同志の夫婦です

26歳で地元に帰ってきてから、かれこれ20年ほどになった。それまでは高校卒業後すぐ上京し3年、そしてその後福岡に4年ほど暮らしていた。

 

妻とは地元に帰った直後くらいの頃出会った。彼女は県外出身で大学のときこちらに移ってきてそのまま居着いている。

 

知り合い期間が4年くらいと長く、なんの因果か結婚に至ったのだが、今になるとやはり似た者夫婦だったんだなぁ…と思う事が多くなってきた。

 

特に思うのは、お互いこの地元に対して『よそ者意識』が強くある、ということ。

 

 

 

そもそも私が高校卒業後そそくさと地元を離れたのも、拭いがたい『よそ者意識』からくる疎外感がたまらなく嫌だったのだ。

 

高校のときは友だちもなく、図書館とレンタルヴィデオショップの往復で暇を潰していた。孤独だった。

 

この街を出ればなにか新しい未来が開けているでは?こんな自分でも何者かになることができ、自分を認めてくれる人たちと知り合うことができるのでは?そして、自分の能力を存分に発揮する場所を見つけられるのでは?

 などといった、今思うと若気の至り・青臭さ満点の心持で地元を飛び出した。

 

…しかし、そんな夢を実現する場だったはずの都会での生活も慣れてくると「いつまでもこのままパッとしないまま時だけが過ぎていくのか…」という焦燥感に襲われるようになった。

 

ちょうどその頃、父親の体調が悪くなってきたと聞き、気ままではあるが焦点の合わない暮らしを畳むいい機会なのかも、と思いたち一人暮らしを辞めたのだった。

 

 

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…妻は妻で大学卒業後、専門外であるカメラマン事務所で働きだしたものの自身の理想とかけ離れていたようで、私と知り合った頃はバイトしながらライブハウスに足しげく通い、バンドマンの写真を撮ることに没頭していた。

 

あの頃はバンド・イベントの企画運営も精力的にやっていたのだが、私と結婚していつしか自身が唄を作る側、ミュージシャンを目指すようになった。彼女が三十路になりたての頃だ。

 

一般的にはその年代なら夢や希望とやらには一定の折り合いをつける時期なのだろうが、妻は違った。自作曲を宅録し、知り合いの画家にジャケットの絵を描いてもらい、CDを500枚プレス(これだけでも結構な額がかかってる)、方々のレコード店や個人営業の店にCDを委託販売してもらう交渉、各ライブハウス・カフェ等ライブが出来そうな場所の開拓や自身が出演するイベントを企画、更にはPV撮影まで手掛けた。その姿は傍から見てて空恐ろしいくらいの執着ぶりで、そのテンションは多少の波はあれど、10年近く続いていたのだった。

 

 

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…しかしそんな彼女もここ最近は『もう音楽活動辞めようかなぁ…』と弱気なのだ。なんでも20代の頃知り合い、いまだに活動を続けている音楽仲間が自分にライブの出演依頼を一切してこない…どころか自分のライブなどをツイッターやフェイスブックでいくら宣伝しても完全にスルーされ観にも来てくれない。どうしてこう無視されるのか…今までやってたことが何の意味もなかったのではないか?こんなに頑張ってきたのに…とひどく落ち込み気味なのである。

 

『人の評価に一喜一憂してても仕方ないじゃないか』『地元の小さな人間関係のことなど気にするな』などと慰めてみたり、はたまた『いつまでそんな夢にしがみついているんだ!』と苛立ち紛れに叱責したりもするが、私自身もバンドをやったり自作曲をネットに上げたりしてて、反響のなさに落ち込んだりした所謂”アーティストくずれ”なので、認められない・承認欲求が満たされないという彼女の寂しさは実は痛いほどよく分かるのだ。

 

「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 (講談社現代新書)

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たまに来るメールは大体ライブのお誘いだ。私に出てくれ、の方じゃないんかよ!!って何回も何回も思ってた。そしていつからか諦めた。私がやってることがそこまで面白くも興味深いことでもなんだろうなぁ…って。だから誰からも誘われないんだって。 結局はいつだって”よそ者”だ、居場所も居心地のいい場所なんてのもどこにもなく、代替可能な存在…それは図書館とレンタルヴィデオショップの往復してた十代の頃見てた風景となんら変わらないのだった。

 

お前と私は同じ景色を見てるんだな…

 

ときに同族嫌悪でお互い罵倒しながらも(笑)、狭い家でくっついて暮らしてる。いい歳した中年夫婦が今の状態じゃ決して実現しないことは薄々分かっていながら、それでもいつもここじゃないどこかに飛び出すことを夢想している。いつまでこんな気持ちを抱え続けなければならないのだろう?こんな気持ちから解放される時が来るのだろうか?…そんな地元に根付いていない”よそ者”同志の夫婦、なのです。